10月15日憲法カフェ@千駄木を開催しました

終日雨が降り続ける昨日の日曜日、下町情緒あふれる千駄木の路地にあるカフェで、「憲法カフェ」が開催されました。参加者は20名。おいしいスイーツと、それぞれ好きな飲み物を飲みながら、ロの字型にしつらえられたテーブルを囲んで憲法の話に花が咲きました。

お菓子

今回はまず、今年の5月3日に安倍首相が「2020年までに憲法改正を施行する」「9条に3項を加憲する」と発言したことを踏まえた上で、現行憲法の前文を音読することからスタート。参加者の方に一文ずつ、読んで頂きました。声に出して読むことで、戦後の焼け野原の中で現行憲法がどのような国の在り方をめざしたのかがよく分かり、改めてその理念の崇高さに気づかされました。

続けて、現行憲法の中から「個人の尊重」「幸福追求権」を謳っている13条、「思想良心の自由」を唱えている19条、「表現の自由」の21条、「男女平等」の14条、「婚姻の自由」の24条等々、具体的に憲法が私たちの暮らしや人生をどのように守っているのかを見ていきます。当たり前のように享受してきた自由や平等ですが、実は憲法に守られて生きてきたのだなということが、その条文をひとつひとつ目で追っていくことで今さらながら実感させられました。と同時に、これは個人的な思いですが、日頃それを実感せずに生きて来られたこと自体が、弱者の側に立つことなくのうのうと人生を送ってきたことの証でもあるのだと、少し恥ずかしい気持ちにもなりました。
このような私たちの暮らしや人生を守るシステムとして、①国民主権、②民主主義、③三権分立ということがあるのであり、それを守るためには私たち自身もその権利を行使していくことが大切なのではという意見も出ました。

後半は、その憲法を、自民党はどのように「改正」したいのかということを、ひとつひとつ具体的に見ていきます。

配布資料

ここでその全てを書くことはとてもできませんが、2つほどご紹介しますと、例えば13条「すべて国民は、個人として尊重される。」が、自民党の改憲草案では「全て国民は、人として尊重される。」と、なぜか「個人」の「個」が抜けて単なる「人」となっている点、またそれに続く「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」というところが、自民党の草案では「公益及び公の秩序に反しない限り」となっており、「公共の福祉」が「公益及び公の秩序」となることで、私たちの自由はどのように制限されることになるのか、ということ。

また、現行憲法では第99条で「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」として国家権力に対するブレーキたる憲法の存在意義をしっかりと明記し、立憲主義を体現しているのですが、自民党改憲草案では「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。」と、なぜか憲法がしばる対象が国家から国民になっています。これは、国家権力に対する縛りという憲法本来の意味を根底から覆し、その性格を180度変えてしまうものであり、「憲法の名の下に憲法ではないものを作ろうとしているのではないか」という長尾先生のお言葉に、寒々とするものを覚えました。

では、具体的に憲法改正はどのようなスケジュールで進められるのか。仮に、安倍首相の思惑通り、来年の5~6月頃に衆参両院の2/3以上の賛成で改憲が発議された場合、その後、60日~180日の広報(キャンペーン)期間を経て国民投票になるわけですが、この期間はあまりにも短すぎるのではないか、また国民投票運動については、選挙運動と違って資金の上限規制などがないため、短期になればなるほど資金が潤沢にある政権与党が有利になるという問題点もあるとのこと。

昨年、イギリスで国民投票によってEU離脱が決定した直後、ネットで「EU」のアクセス件数が急増した、つまり多くの人々が「EUから離脱する」ということの意味をよく分からずに票を投じてしまったという事実を思い出す時、決して他人事ではないと暗澹たる気持ちにさせられました。

ただ、最後に初めて参加して下さった男性から「今日は参加してよかった。自分はむしろ、こうして日曜の昼に憲法を勉強しようという人がこんなにいるということに希望を感じた」とおっしゃって下さったことが、主催した側としてはとても嬉しく、励まされるお言葉でした。

折しも来週日曜日には衆議院選挙があります。戦後、私たちが勝ち取ったこの大切な権利を無駄にすることのないよう、まずは選挙に行こう、周囲の人達にも選挙に行くことを呼びかけようと言い合い、まだまだ熱気の冷めやらぬカフェの会場を後にしました。
私たちのこの企画は小さな試みではありますが、毎回確実な手応えを感じます。今後もこうした場を作り続けていきたいと強く願っております。

 

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